― 推し活でつながる世界 ― 国際文化学部で「International Oshikatsu Week」を開催しました。

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4月8日から14日までの1週間、横浜・金沢八景キャンパスのGlobal Lounge Annexにて、国際文化学部主催のイベント「International Oshikatsu Week」が開催されました。本イベントは、日本のファン文化「推し活(おしかつ)」をテーマに、国際的な視点からその魅力と影響を掘り下げる取り組みです。学生や教員、そしてゲストスピーカーがそれぞれの「推し活」を紹介し合うことで、国や地域を超えた価値観や文化の多様性に触れる貴重な機会となりました。

初日となる8日(火)、国際文化学部の髙井啓介教授による基調講演「推し活“OSHIKATSU”でつながる『世界』~ファンダム・カルチャーの現在~」からスタートした本イベント。講演では、アニメやアイドルの“聖地巡礼”に端を発した日本独自のファン活動が、近年ではZ世代を中心に世界的な広がりを見せている現状が紹介されました。また、推し活には宗教的な儀式や自己探求といった深い側面もあり、地域振興にも寄与しているとの事例も紹介。一方で、推し活において消費活動が過度に促されることの危険性についての指摘もなされ、学生たちは推し活の奥深さ、また与える影響について驚きと関心を示していました。

9日(水)には、学生による「推し活ポスター発表」が行われ、自身の“推し”や推し活の魅力をポスターにまとめて紹介。アニメキャラ、K-POPアーティスト、Vtuberなど多岐にわたる推しを題材に、推しを好きになった背景や、自分の生活に与えた影響について熱心に語る姿が印象的でした。中には「推し活を通して計画力や自己管理能力が向上した」という声もあり、推し活が自己成長にもつながっている様子が伺えました。

同日には、特別ゲストとしてアニメソングを多く歌うシンガー、halcaさんを招いたトークイベントも開催。ボカロ/アニソン特化型のオーディションで準グランプリを獲得し、現在は国内外で活躍するhalcaさんが、アーティストを志したきっかけやデビューまでの道のり、夢を追う中で感じた葛藤、そして音楽制作やライブの舞台裏まで、リアルな体験を学生に向けて語りました。特に海外でのファンとの交流や、好きなことを仕事にする喜びと難しさについての話は、将来に悩む学生たちに大きな勇気を与えました。

11日(金)には、大学院文学研究科・比較日本文化専攻に在籍するインドネシア出身のアルディティヨ・ハルトロさんによる発表。自身の推し活や、母国における日本ポップカルチャーの反応について発表しました。1990年代からアニメが現地で放映されていたことを背景に、日本文化が日常に根づいていること、そして現在はVtuberやアニソンを通じて世界中の友人とつながっていることを語りました。母国では推し活に対するイスラームからの偏見が残っているとのことですが、ハルトロさん自身の「好き」を大切にする姿勢に、多くの学生は刺激を受けた様子でした。

最終日となる14日(月)は、アメリカ・カンザス大学大学院のマイケル・トンプソンさんとオンラインでつなぎ、アメリカにおける推し活文化についての講演が行われました。マイケルさんは、アーティストへの熱狂的な支持を意味する「Stan(スタン)」という文化を紹介。語源となったエミネムの楽曲や、The Beatlesのファンである「Beatlemaniacs」など、アメリカにおけるファンダムの歴史と特徴を説明しました。「Stan」と「推し活」は似て非なるものであり、それぞれの文化背景や価値観がファン活動に反映されていることを語り、学生たちにとっては異文化の理解を深めるきっかけとなりました。

「推し活」を通じて、異なる背景を持つ人々の価値観に触れる機会となる「International Oshikatsu Week」は、一見プライベートな活動が、国や文化を超えて人々をつなぐ可能性を感じられるイベントとなりました。

今後も国際文化学部では、学生が自らの「好き」や「興味」をきっかけに世界へと視野を広げ、異なる文化や価値観と出会う学びの場を積極的に提供していきます。

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