栄養学部管理栄養学科の細山田洋子教授のゼミナールに所属する学生らが、無印良品の商品をベースとしたアレンジレシピを考案しました。昨年4月、第1弾として発刊された「親子でつくれる簡単レシピ」に続く第2弾で、9月には神奈川県内の無印良品の店舗に配架されました。(現在は配布を終了しています。)
今回は無印良品で販売されている商品をベースに、防災を意識しながら親子でつくれるレシピがテーマに。当たり前の日常が一変し、水や火、電気やガスなどが自由に使うことができない”もしものとき”にも親子で簡単にできる12品が揃いました。
災害時の避難生活の実態や食事の現状を知るために、論文研究から始まった今回のプロジェクト。東日本大震災をはじめとする過去の記録を参考に、避難生活下で偏りがちな栄養バランスを考慮しながら学生たちは試作を重ねました。
「論文を読み進めていく上で、食がもたらすメンタル不調など、避難生活での食の重要性が気にかかりました。災害時には普段の3食にとらわれがちですが、甘いものを食べることで精神が安定したり気分が上がる傾向があることが読み取れたので、スイーツを考案することにしました」と話すのは川又友里さん(管理栄養学科3年)。川又さんが考案したのは、『素材を生かした インスタント 宇治抹茶ラテ』を使用した「焼き麩deラスク~2種のチョコソース添え~」。うすくきつね色に焼けた一口サイズの切り餅とお麩を並べ、抹茶ホワイトチョコレートソースを添えておしゃれに仕上げました。「長期保存が可能で余りがちなお麩をラスクにできるのではないかと考えました。油で焼き上げることでサクッとフワッと素材を生かした風味が口の中で広がります。ラスクの食感をキープするためにチョコソースはあとがけにしています」。
木下さくらさん(同学科3年)は、『食べるスープ 4種野菜のみそトマトスープ』と『スパゲッティ1.6mm』を使用した「ポリ袋で作る!簡単粉末スープスパゲッティ」を考案。「災害時には、簡単に食べることができるパンやおにぎりなどが多く支給されることで日常生活の食事から離れてしまうことに着目しました。味付けにはパスタと同色化しにくい『4種野菜の味噌トマトスープ』がおすすめですが、好きな味を選んで作ってもらえたら嬉しいです。またこのレシピは調理方法にもこだわっていて、パッククッキング法*1を用いています。ひとつの鍋で複数の食材を調理出来たり、お皿に移す必要もなくなり洗い物が減るので、あらゆる制限がある避難所での生活に活躍する調理方法です」と話しました。
また川又さん、木下さんをはじめとするグループで考案した「こあらちゃんどいっち」は、『コアラパン』の味がシンプルであることから、甘いものやしょっぱいもの、どちらでも相性がよく、保存期間の長いツナ缶や缶詰のあんこが使用されています。見た目もかわいらしく手順が少ないことから、親子で楽しみながら作る姿を想像して考案したそう。「震災直後には電気が止まり冷蔵庫に入っている食材が悪くなってしまいます。授業で学んだ”ローリングストック法”*2をもとに、傷みやすい野菜などを用いてサラダ系のサンドイッチにすることもできるのでおすすめです」と木下さんは話しました。
災害時において栄養をしっかりと摂取しながら、心理的な部分にもアプローチできるよう心掛けたというふたり。発行されたレシピ集が店舗に並んでいたのを見つけると、自ら手掛けたものが世に出ている実感が沸々と湧いてきたそう。
活動を振り返って川又さんは「大学入学時の目標が、在学時に企業とコラボレーションした企画に取り組むことでした。今回、このような機会に携わることができて貴重な経験をさせて頂き大変光栄です。レシピを手に取った方に作ってみたいと思ってもらえたら」と話しました。木下さんは「今回、無印良品さんやのびのびのば園さんとコラボさせて頂いたことで、将来への展望が広まりました。防災だからとあまり身構えずに目を通してもらい、もしもの時にレシピを思い出して頂けたら嬉しいです」と笑顔で話しました。
関東学院大学は今後も、学生たちの学びを社会に還元していく機会を提供していきます。
*1 パッククッキング法:食材と調味料をポリ袋(耐熱性がある高密度ポリエチレン製)に入れてできる限り空気を抜き密閉状態のまま湯煎で加熱する調理方法のこと。食材に味がしみこみやすいメリットもある。
*2 ローリングストック法:備蓄食料を使用しながら新しいものを買い足し、常に一定の食料を備蓄しておく方法
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