7月5日、千葉市中央区の宮崎公園を会場に、公園リニューアルに先立つワークショップ「しばふの公園でなにしよう?みんなで絵をえがこう!」が開催されました。本ワークショップには、建築・環境学部中津秀之准教授の研究室の学生たちが企画・運営に携わり、地域の方々や千葉大学の学生とともに、多世代が交流しながら公園の未来を考える貴重な機会となりました。主催は地域自治会の南町共栄会、共催には宮崎小学校PTA組織「宮小ファミリア」、関東学院大学中津研究室、千葉大学伊藤研究室が名を連ね、地域・大学・企業が連携して実施されました。公園の近隣では分譲マンションの開発が進んでおり、公園整備とともに地域の暮らしの質を高める取り組みとして注目されています。


当日は、地域住民や子どもたちなど約140名が参加し、17のチームに分かれて活動しました。参加者はまず、公園内を散策しながら葉や枝などの自然素材を集め、その後、隣接する宮崎小学校の体育館で看板制作を行いました。テーマは「リニューアル後の芝生広場でやりたいこと」。クレヨンや色紙、モールなども活用しながら、子どもたちは自由な発想で理想の公園を表現しました。完成した作品はラミネート加工され、リニューアル工事中の公園に展示される予定です。
今回のワークショップでは、世代や立場を超えて参加者が交流することを重視し、グループの編成も普段接点のない人々が一緒に活動できるよう工夫されました。看板制作の合間には、公園の思い出や未来の使い方についての対話が自然に生まれ、最後には各チームが自分たちの作品を発表し合う場も設けられました。


中津研究室の学生たちは、千葉大学の学生とオンラインで打ち合わせを重ねながら、看板のデザインや活動内容を検討し、当日の運営にも主体的に関わりました。建築・環境学部4年生の黒石凜太朗さんは、「子どもたちが『自分たちで作った』と実感できるように、素材や道具に工夫を凝らしました。普段使わないような大きなクレヨンを用意するなど、創作活動にわくわくして取り組めるよう意識しました」と振り返ります。また、「建築を学ぶなかで、建物の設計だけでなく、地域全体をどう設計していくかという視点が身につきました。まちづくりの一端を担う経験ができ、大きな学びとなりました」と語りました。
設計を担当する中津准教授は、今回の公園整備について、「インクルーシブ公園」という考え方に基づいた提案を行ってきました。誰もが使いやすく、安心して過ごせる公園を目指し、駐車場の整備やバリアフリー動線の確保などを優先して設計を進めてきました。また、中津准教授は、多世代交流がもたらす長期的な効果にも期待を寄せています。「地域で育った子どもが、大人になってからこの地の良さを思い出し、再び家族と共に戻ってくる。そうした記憶が地域の人口の最適化や持続可能なまちづくりにつながると考えています」と語りました。


中津研究室では、学生たちが企画から運営までを担いながら、地域社会の課題に向き合い、実践を通じて学びを深めています。今後、宮崎公園は2025年9月から2026年1月にかけてリニューアル工事が予定されており、完成後には第2回ワークショップの開催も計画されています。子どもたちの描いた理想の風景がどのような形で実現されるのか、今後の展開にご注目ください。
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