建築・環境学部の4つの特徴
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5コースから成る専門教育
3年次以降のコース選択で自分の興味関心に沿った分野を専門的に学修します。
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スタジオ中心の学修
街での調査で感じたことをもとに創造力を膨らませ、設計を進めます。
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少人数制指導
学生一人ひとりの資質能力に丁寧に対応しています。
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技術を学ぶ、建築・環境棟
様々な賞を受賞している建築・環境棟を生きた教材として活用します。
学科紹介
学部長メッセージ
技術の領域を超えて新しい建築を学ぶ。
大塚 雅之
少子高齢化が進む中、コミュニティをどう再生するのか。排出される二酸化炭素の抑制など、地球環境問題にいかに取り組むか。災害に対し人々の生活を守る技術はどうあるべきか。自然と共生できる生活や住まいはどうあるべきか。
私たちが直面する課題を「建築」という手段で解決しようとするとき、もはや従来の工学的なアプローチには限界があります。そのために、従来の工学的な建築学、つまり「デザイン」と「エンジニアリング」の統合化という視点に、私たちを取り巻く全ての「環境」と、過去から未来へと繋がる「時間」の2つの視点を加え、現代社会が抱える課題を総合的に考える「建築・環境学」という新たな枠組みの学問を提唱しました。だからこそ、建築を志す若い人たちには、工学や自然科学などの理系の領域、人文科学や社会科学などの文系の領域、さらには芸術の領域を超えて、これらを包括的に捉え、関東学院大学でこれからの新しい建築について学んでほしいと思います。そして、実際の建築・環境学の学びの形として、建築デザイン、建築エンジニアリング、環境共生デザイン、建築・都市再生デザイン、すまいデザインの5つの特色あるコースを作りました。ここでは少人数でプレゼンテーションが主体となるスタジオという授業形態を採用し、きめ細かな実践的な指導を行います。さらに、その学びの場にふさわしく、環境共生技術を盛り込んだ新校舎を完成させ、様々な建築技術を実体験できるように考えました。建築の未来を切り開くために、ここで身につけた知識と技術を生かし、社会に優れた提案をできる人材が、1人でも多く巣立って行くことを期待しています。
建築・環境学部3つのポリシー
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1.入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)
建築・環境学部は、本学部の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)および教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)との関連を踏まえた上で、全学部共通の入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)に基づき、入学者受け入れの方針を次のように定める。
<求める学生像>
建築・環境学部建築・環境学科では、建築及びその環境分野を中心とした専門的な学術理論と応用・実践方法を学ぶことで豊かな教養と高度な専門知識や技術を有し、総合的・創造的な広い視野から社会の要求する諸問題に取り組んで行ける人材を育成することを目指している。そのために、建築、都市、すまい、構造、環境共生などの専門分野に強い学修意欲と熱意を持ち、建築・環境分野のさまざまな課題に対し柔軟な思考と他者との協調性のもと、自分の意見を適切な言葉や表現方法で伝える能力を有する学生を求める。<入学者選抜において評価する点>
建築・環境学部建築・環境学科では、物理、化学、数学等の専門基幹科目、建築設計製図や建築への導入科目等の専門基礎科目、さらに建築デザイン、建築エンジニアリング、環境共生デザイン、まちづくりデザイン、すまいデザイン各コースでの専門応用科目、加えて専門学修の総括となるゼミナール及び卒業研究へと段階的に建築・環境学を学んでいく。
その学修を進めるうえで必要な、数学・物理・化学・生物・情報・環境などの工学的な基礎学力、歴史・文化・芸術などの広い知識と教養、語学力の素養を確認する。さらに、建築・都市、それを取り巻く社会・地域における諸課題に対して積極的に取り組める意欲、客観的立場からの思考力・協調性、自身の意見を他者に適切に伝える能力等を評価する。<入学前学習として求めること>
建築・環境学部建築・環境学科では、高等学校の主要基礎科目である数学、国語、英語の基礎学力を確実に身に付け、加えて物理、化学、生物などの理科系科目、歴史、地理等の人文系科目についても、主体的に学習しておくことが必要となる。また、建築設計製図を始めとする建築・環境学の専門科目を学修する準備として、建物や風景などのスケッチやデッサンを通して描写・表現力を養うこと、実物の建物を訪れて空間を実際に体験し、感じ取ること、都市や地域、建築、すまいやそれを取り巻く社会の諸問題の情報収集と整理・その解決方法の模索、さらにその成果をどのような手法で表現すれば良いのかまでを意識して実践してみることを勧める。
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2.教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
建築・環境学部建築・環境学科は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を達成するため、次に掲げる方針に基づき、教育課程を編成・実施する。
なお、本方針は、諸科学の進展や社会の変化、本学に対する社会の要請等を踏まえて、常に内容に改善・改良を加え、教育課程並びに教育指導体制の充実に努める。また、各授業科目は、公開授業制度や授業改善アンケートなどのFD(ファカルティ・ディベロップメント)活動によって、不断の努力をもってさらなる充実に努める。教育課程・教育内容
- 教育課程は、共通科目及び専門科目により体系的に編成する。
- 共通科目は、学部共通の教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)を踏まえて編成するとともに、教養科目、外国語科目、保健体育科目から構成する。また、キリスト教、初年次教育、キャリアデザイン、英語の学習を必須とする。
- 専門科目は、次のように専門基幹科目及び専門基礎科目から専門応用科目へと段階的に編成する。
<専門基幹科目>
- 建築・環境学を学ぶうえで、その基幹をなす、数学、物理、化学、生物、情報、環境、実習等の工学関係の基礎を身に付ける。
<専門基礎科目>
- 建築・環境学を学ぶうえで、建築設計製図等の専門分野の基礎を身に付ける。
<専門応用科目>
- 次の5つのコースを編成し、各コースの専門知識や技術等を身に付けるとともに、ゼミナール及び卒業研究を4年次の必修とし、各コースの専門学習の総まとめを行う。
【建築デザインコース】
- 計画・設計に必要な幅広い基礎的な素養を身に付け、デザイン、構造、材料・施工、環境・設備の4つの分野を総合的・統合的にとらえる能力を培うとともに、社会、地域や建物を実感することや体験することを通じ、自身でそれらを分析し、望ましい建築空間として提案する力を育む。
【建築エンジニアリングコース】
- 様々な材料を用いる建築物の構造計画、構造設計手法、耐震補強の手法、建築物の材料・施工計画、維持管理計画を専門的、かつ総合的に理解する。その上で、耐震性、長寿命化等を十分に考慮した安全な建築物を計画、設計、提案できる能力を育む。
【環境共生デザインコース】
- 建築に関連する環境要素には、熱・光・空気・水・音等があり、これらを調整して快適且つ環境負荷を抑えた建築・設備技術について学び、その技術を応用し、人々が安全で快適な生活が営める建築空間を創造できる幅広い環境共生デザイン能力を育む。
【まちづくりデザインコース】
- 都市環境の中の社会的・建築的課題を抽出し、総合的な観点から実践的に問題解決を図ることができる能力を育む。地域コミュニティの活性化や建築ストック(空き家や既存団地など)の再生・利活用、ランドスケープデザイン、コミュニティデザインなどと密接に連携した「まちづくりデザイン」能力を育む。
【すまいデザインコース】
- 戸建て住宅、集合住宅、年老いてからの生活の器としての老人福祉施設、仕事場を併設した住宅等、さまざまな「すまい」の設計方法を学ぶことに加え、ひとつひとつの「すまい」が、街並み=都市の風景を作り上げていることに配慮できる能力を育む。
教育方法
- 講義を通じて、当該科目に必要な知識・技能を教授するとともに、書く・話し合う・発表するといった学生の講義への参加を積極的に導入する。
- 習熟度別等による少人数教育を推進し、きめ細かな教育を通じて、学習効果を高める。
- PBL(Project/Problem- Based Learning)やサービスラーニング等の体験型授業を通じて、課題設定・実践的な解決能力を培う。
- フィールドワーク、ボランティア、海外インターンシップ等の授業による社会参加の機会を通じて、多文化を理解し、他者と共生するための思考力・判断力を養う。
- キリスト教への理解を軸とした幅広い教養を基に、アクティブ・ラーニングによる能動的な思考・判断の繰り返しと、他者との協働により、公平・公正な判断力を培う。
- グループワーク、ディベート、プレゼンテーション等の協働による能動的な学びの場を通じ、傾聴の姿勢と、自らの立場、考えをわかりやすく発信するための能力を培う。
- 社会連携教育(地域、企業、自治体等との連携による教育)を展開し、社会をフィールドとしたPBLやサービスラーニング等を通じて、社会に参加する機会を創出し、社会参加への主体性を培う。
- 幅広い教養及び専門分野における知識、技術を基に、アクティブ・ラーニングやゼミナール等により、多様な背景をもった他者と協働するための規律性と柔軟性を養う。
- キリスト教及び自校史への理解を基に、PBLやサービスラーニング等による実践的な課題解決のための学びを通じ、社会課題に対して誠実に向き合う姿勢を養う。
- ICTを積極的に活用し、LMS(Learning Management System)を通じて、学生へのフィードバックや学習支援を行う。
- 英語の音声面を中心とした実践的なトレーニングの手法として、CALL(Computer Assisted Language Learning)を用いる。
- 英語で授業を行う講義科目を通じて、グローバル化に対応できる人材を育成する。(Japanese Culture and Society)
学習成果の評価
学位授与方針の達成度を検証するために、学習成果の評価について次のように定める。なお、検証結果は教育課程編成や授業改善等に活用する。
- 学期中における理解度を把握するための小テスト及び学期末試験等を用いて、幅広い教養力や専門分野及び地域に関する知識・理解力を評価する。
- レポートや論文・プレゼンテーションの成果に基づき、ルーブリックやポートフォリオ等の手法を用いて、建学の精神の実践・奉仕力、問題発見・思考力、倫理観、公平・公正な判断、協働力を評価する。
- 4年間の学びを通じて、学位授与方針に掲げた能力を総合的に評価する。
※ 教育課程の体系性や学位授与方針との対応関係はカリキュラムマップにより別途明示する。
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3.学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
建築・環境学部建築・環境学科は、教育研究上の目的のもと、次に掲げるすべての能力(4領域12項目及び各コースの能力)を備え、所定の単位を修得しており、建築・環境学の総合的かつ全体的な学術体系を基盤とし、デザインとエンジニアリングの統合、環境との共生、既存の社会資源の維持・活用・再生、そして人々の持続する生活の質の向上など、現在の共生社会が必要とする諸課題を追及することのできる能力を得たと認められた学生に学位を授与する。
<知識・理解>
- 自己理解と他者理解につながる幅広い教養(※)を身につけている。(幅広い教養)
(※)総合大学の利点を活かした学部共通の教養教育と学部独自の教養教育が含まれる。 - 建築の意匠、歴史、構造、材料、環境・設備に関する基礎的知識を理解している。建築物を設計する知識に基づいて、図面を描くことができる。(専門分野に関する知識・理解)
- 建築・環境学の観点から、「神奈川」の歴史・文化・風土等の特性を理解している。(地域に関する知識・理解)
<技能> - 建築の基礎的知識に基づいて、建築物を設計するプロセスを自ら実行する技術を持つ。(問題発見・解決力)
- 国際社会において協働できるコミュニケーション力を有している。(国際協働力)
<思考・判断・表現> - 他者がもつ社会的・文化的背景を理解したうえで、自己を客体化して思考することができる。(多文化での共生)
- 倫理観と公平・公正の精神を持った事象の判断力を有するとともに、建築の基礎的知識に基づいて、建築物を設計するプロセスを理解している。(倫理観、公平・公正な判断)
- 他者の意見に耳を傾けるとともに、自らの意見を適切な表現手段を用いて発信する能力を身につけるとともに、建築の基礎的知識に基づいて、建築物を設計するプロセスを理解している。(傾聴と発信)
<関心・意欲・態度> - 生涯にわたり、進んで知識・教養・技能を高めようとする意欲を持って、社会から見た建築の有意性と現在の問題点を追跡できる能力を有している。(生涯学び続ける意欲)
- 社会・地域・組織の一員としての役割を果たそうとする主体性を身につけ、社会から見た建築の有意性と現在の問題点を追跡できる能力を有している。(社会参加への主体性)
- 建築物の設計プロセスにおいて、 豊富な知識と広い視野のもとに、様々な背景をもった他者を尊重して協働できる。(チームワーク、他者との協働)
- 問題に対して誠実に向き合おうとする実践的態度を身につけている。社会から見た建築の有意性と現在の問題点を追跡できる能力を有している。(建学の精神の実践、奉仕動機)
更に、各コースの方針を次のように定める。
- 建築デザインコース
建築に対する幅広い基礎的な素養を身につけると共に、構造、材料、環境・設備等の分野も総合的に考え、建築の計画・デザイン(設計)を実践できる感性と能力を身につけている。 - 建築エンジニアリングコース
建築構造や材料・施工に関わる設計・施工、開発、維持管理といったエンジニアリング技術を専門とする分野に携わる能力を身につけている。 - 環境共生デザインコース
建物の環境・設備に関わる設計・施工、開発、維持管理といったエンジニアリング技術を専門とする分野、さらにそれらの技術と建築設計とを総合的に捉えてデザインする分野に携わる能力を身につけている。 - まちづくりデザインコース
良好な都市環境を創出・再生するために、コミュニティデザインや既存建造物の再生・利活用、ランドスケープデザインなど総合的な観点から、地域社会の活性化に携わる感性と能力を身につけている。 - すまいデザインコース
すまいに関する知識をもとに、戸建住宅や集合住宅などの様々な用途の住宅の計画と設計やインテリアと家具のデザイン、さらには住居後のメンテナンスとリフォームに関する分野まで幅広く携わる感性と能力を身につけている。
- 自己理解と他者理解につながる幅広い教養(※)を身につけている。(幅広い教養)
教員紹介
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建築・環境学部共通科目
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教員 研究テーマ 業績など 奥 聡一郎
Soichiro Okuコーパスを用いたテクスト分析・文体論
コンピュータを活用した英語教育中和 渚
Nagisa Nakawa算数・数学教育
国際教育開発本沢 彩
Aya Motozawa日本人学習者による英語音声コミュニケーション能力と発音の特徴、および指導方法
古谷 裕美
Hiromi Furutaniヘミングウェイにおける身体表象
メディアを用いた英語教育
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建築・環境学科
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教員 研究テーマ 業績など 李 祥準
Yi Sangjun民間及び公共の施設マネジメント効率化に関する研究
遠藤 智行
Tomoyuki Endo自然換気・通風の有効利用および室内温熱環境の改善手法
高効率換気システムの開発とその評価法大塚 雅之
Masayuki Otsuka建物の水まわり・給排水衛生設備の研究
住宅の水まわり設備のリニューアルの研究粕谷 淳司
Atsushi Kasuya住居系を中心とする建築・建築群および外部空間のデザインに関する研究
神戸 渡
Wataru Kambe木質構造・木質材料の研究
建築構造
破壊力学黒田 泰介
Taisuke Kuroda歴史的都市と建築の保存・再生・利活用計画
建築類型学による都市組織の分析古賀 紀江
Toshie Koga環境行動の視点からの高齢期生活支援の研究場所記憶に関する研究
酒谷 粋将
Suisho Sakatani建築・都市デザインやまちづくりの方法に関する研究
多主体の対話を通したデザインのプロセスに関する研究高島 英幸
Hideyuki Takashimaスペースフレーム、歴史的建築物の構造モデル化と解析
人工生命を模したアルゴリズムを用いた構造物の最適化中津 秀之
Hideyuki Nakatsu都市空間と人間行動の関係に関する研究
子どもの遊びに関する研究中村 秀親
Hidechika Nakamura建築物の代用接地極に関する研究
藤沼 智洋
Fujinuma Tomohiro建築材料に対する資源循環・再資源化に関する研究
建築材料設計に関する研究柳澤 潤
Jun Yanagisawa公共建築のデザインおよび企画・運営に関する研究
山口 温
Haru Yamaguchi建物の温熱環境
光環境に関する研究渡部 洋
Hiroshi Watanabeコンクリートを用いた建築物の耐震性向上