理工学部の学生が「第26回化学工学会学生発表会」で優秀賞を受賞しました。

3月2日にオンラインで開催された公益社団法人化学工学会主催の「第26回化学工学会学生発表会」で、黒神佑芽さん（理工学部 応用化学コース4年）が優秀賞（43件／331件）を受賞しました。

黒神さんは「層状MnO2薄膜によるノニオン性色素の吸着と溶液pHの影響」をテーマに発表。すでにイオン性をもたない（＝ノニオン性）色素を、吸着材である層状マンガン酸化物を用いて回収できることが先輩の研究によって判明していましたが、どのようにしたらより吸収ができるのか、何が吸着材の性質に影響を与えるのかを研究しました。

「吸着材となる層状マンガン酸化物を作製する際に用いる、電流を制御できる電気化学システムの電位を変えたり、色素を溶かした溶液のpHを調整したりすることで、層状マンガン酸化物の吸着量に影響を与えることがわかりました。海や川の汚染物質を回収し、無毒化されたものが自然に還元されることをゴールとしていますが、いつか実用化されたら嬉しいですね」と黒神さんは話します。

また、発表方法にもこだわりをもったという黒神さん。オンライン発表では、パソコンの画面に発表スライドが表示され、発表者が映り込まない形式が一般的ですが、黒神さんをはじめ友野研究室から参加した4名の学生たちは、スライドを背景にして画面に発表者が映り込むという一風変わった発表方法を取りました。

4月から中高一貫校で働く予定だという黒神さんは、「友野研究室では研究のほか、産学官連携プロジェクトや教育活動を通して、多角的な視点で物事をとらえる力が身につきました。これからは理科教員として、子ども達に理科の楽しさが伝わるような授業を作っていきたいです」と意気込みました。