法学部の牧瀬稔教授が、しずおか中部連携中枢都市圏課題解決事業成果報告会で発表を行い、学生らのゼミナールでの活動を報告しました。

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3月25日(月)に、令和5年度しずおか中部連携中枢都市圏地域課題解決事業成果報告会が開催され、法学部の牧瀬稔教授が発表を行いました。

静岡市では、大学又は短期大学としずおか中部連携中枢都市圏を構成する静岡市、島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、吉田町及び川根本町との交流の拡大を促進することにより、大学等の研究の成果の還元を図り、もって都市圏の発展に寄与するため、都市圏の地域課題の解決に向けた解決方策の提言又は実践的な研究を各市町と一体となって行う大学等に勤務する教員に対して、都市圏全体の利益のために、助成金を交付しています。牧瀬教授とゼミナールに所属する18名の学生らは、焼津市経済部誘致戦略課と連携し、「人口減少の克服及び地域の活性化に向けて」を基本テーマとして、市長に対して政策提言を実施することを目的に本事業に参加し活動しました。今回の成果報告会では、牧瀬教授より本事業の学生たちの活動について報告がなされました。

学生たちは、焼津市の抱える(1)農業を魅力ある職業とアピールし、若い世代の新規就農者の増加(農政課)(2)新卒年代の移住定住(UJIターン)を達成するための事業展開(誘致戦略課)(3)外国にルーツを持つ市民と日本人市民の相互理解を深める手法(市民協働課)(4)若者で賑わう駅前通り商店街の新しいカタチの構築(商工観光課)の4つの課題に対して、それぞれのチームに分かれて焼津市の担当課の協力をいただきながら研究を進めました。本研究では、文献調査、ヒアリング調査、現地調査を行い、ゼミナールにおける意見交換を経てそれぞれの政策案を実効性のあるものにまとめました。

2月1日(木)には焼津市役所にて、市長や市幹部らの前で課題解決策を提案。「若い世代の新規就農者の増加」の課題に取組んだチームは、耕作放棄地での稲作体験イベント「焼津農業DAY」を提案し、イベントを通じて新規就農のきっかけづくりを設ける案を発表しました。移住定住を達成するための事業展開について検討したチームからは、高校生、大学生を対象とした国内留学制度で市役所での職業を体験する「焼津ステップ」や、創作スペースを提供することで若手漫画家を誘致する「マンガビレッジ」が提案されました。外国にルーツを持つ市民と日本人市民の相互理解を深める手法を検討したチームは、地域住民と交流しながら日本語を学べる「ワールドカフェ」や市民全員が思いやりの心を持つことを宣言する「思いやり宣言」などのユニークな施策を披露しました。駅前通り商店街の新しいカタチの構築の課題に取組んだチームからは、商店街のポスター制作に子どもたちが取り組む施策や、キッチンカーの誘致、クイズラリーの実施によって商店街に子育て世代を呼び込む政策が提案されました。

中野弘道焼津市長は「現状を正しく分析し、課題の解決方法が明確である。若い視点をずらさずに、政策が考えられているため、内容が新鮮で、考え方がフレッシュな印象を持った」と学生たちの発表に応えました。

本事業に参加した田中悠太さん(地域創生学科4年)は、「今回の焼津市政策提言では、現地調査で実際に私達が感じた視点を政策案に反映させることを意識し、焼津市の強みを生かした政策を提案できたと思います。また、焼津市の魅力を再発見する貴重な機会にもなりました」と振り返りました。また、ゼミ長として活動した二階堂琴音さん(同学科4年)は、「今回の政策提言は、現地視察を行ったこともあり、焼津市の魅力を取り入れたユニークな提言案を発表することができました。今回の提言を事業化していただき、焼津市の人口減少の克服及び地域の活性化に繋がったら嬉しい」と今後の展望を話しました。

報告会での牧瀬教授の報告を受けて、本事業で連携した焼津市経済部誘致戦略課の増田氏は「本事業では、焼津市のさまざまな課題がある中で、学生たちに実地で活動してもらい、各テーマに沿って市内各所を回ってもらいました。学生たちが自分たちの目で見て、耳で聞いて、焼津市の良いところ、また、そうでないところも合わせて肌で感じてもらい、そこで得たものが提言に繋がったと思います。こういった、しっかりした過程に基づいた学生ならではのアイデアをだしてもらえた」と感想を述べられました。

牧瀬ゼミナールでは今後も、焼津市の人口減少の克服及び地域の活性化に向けて、今回提示した政策案の事業化をめざして活動を続けていきます。

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