令和6年度里見奨学会研究提案表彰(里見賞)において、理工学部の堀内義夫講師が特別賞を受賞しました。里見奨学会は、1956年に財団法人として設立され、学業に秀でているにも拘らず経済的な理由から修業が困難な若者への学業支援として、奨学金を給付しています。また、萌芽的研究提案を表彰する制度を令和元年より始めています。
堀内講師はこれまで関東学院大学 材料・表面工学研究所において「UV照射による表面改質法を用いた無電解めっきパターンの形成に関する研究」に取り組んできました。材料・表面工学研究所は、日本の基幹産業である自動車をはじめ、携帯電話や各種センサーなどの精密機器、さらには医療分野にまで貢献するような、今の世界にはなくてはならないめっきを始めとする表面処理技術の研究開発において、学会や産業界をリードしている存在です。エレクトロニクス産業、電子機器に関わる産業は、近年、自動車の自動運転やAI技術の発展によって新しい領域を切り開いています。その中で、電子機器をつくっていくためには根幹技術の一つである表面処理技術、めっき技術は無くてはならない手法です。堀内講師の今回の研究提案のテーマは「マイクロ・サブマイクロメートル領域における無電解めっき反応機構の解明」。薬品を用いて保護膜(レジスト)を形成し配線パターンを形成する従来の手法と比べて、堀内講師の研究するUV照射による表面改質法は、より微細な金属パターンを低コストで形成することが可能な技術で、電子基盤の微細化や高性能化を実現し、安定的に、工業的に価値のある技術として社会貢献に繋がっています。今回受賞した研究では、その技術を学術的な側面から詳細に解明することを目的としています。「ものをつくる時には、実用的な技術的な側面と、どうしてそれができるのかといったアカデミックに解明する側面の両輪を研究していくことが大切です。これまでの研究で、技術的な応用が可能であることを確認したので、今後はアカデミックな部分も探究していきたい」と堀内講師は研究に対する意欲を語りました。
髪の毛1本よりも小さい目に見えない位の領域で、どういった挙動をしているのかを解明することで、より細かい、性能の良い、安定的な工業的に価値のある技術とすることができる。
堀内義夫講師と材料・表面工学研究所特別栄誉教授・顧問の本間英夫教授
また、堀内講師は「研究成果が、より高度に発展するエレクトロデバイス材料に貢献し、社会実装されることで社会と繋がることができます。そういった研究を継続していくには、学生の力や発想力が非常に大事です」と話します。関東学院大学は、産官学連携等により理工系の教育・研究活動の成果を広く社会へ還元する大学であるとして、公益財団法人里見奨学会より学部生4名、大学院生4名が奨学金の給付を受け、学生らは充実した修学環境の中で研究に取組んでいます。
関東学院大学は、今後も産学連携による理工系人材の育成に寄与すべく教育・研究活動を展開していきます。
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