11月30日(土)から1月13日(月)までの期間、横浜市中区にあるシルク博物館にてKGU横浜スカーフ研究プロジェクトの企画・監修による横浜輸出スカーフ展示『私の、推しスカ』が開催されました。展示は横浜スカーフ・アーカイブ資料の現物の中からテーマに沿って選りすぐりの品々を紹介するものです。1月8日(水)には、経営学部の岩崎ゼミナールの学生20名がシルク博物館を訪れ、展示企画のテーマ設定などのマーケティング手法を考察しました。
横浜市では、平成6年に日本輸出スカーフ等製造工業組合から寄贈されたスカーフ資料(現物)約11万点を現在、横浜市歴史博物館に保管しています。この資料は平成25年度に横浜市経済局により学識経験者や関連企業で構成する「横浜スカーフ研究会」が発足、「地域資源(横浜スカーフ)の活用による産業活性化事業」の一環としてデータベース化されました。アーカイブ資料とは、これらのスカーフ資料(現物)とデータベースを合わせたもので、データベースには歴史的に価値のある約3万点のスカーフの図柄の写真が保存され、横浜市歴史博物館で閲覧が可能です。関東学院大学の「KGU横浜スカーフ研究プロジェクト」は、アーカイブ資料を学術研究と産業利用の両面から後押しすることを目的に結成され、様々な場面で期待されるデザインリソースとしての可能性を探る活動に着手しています。また、KGU横浜スカーフ研究プロジェクトでは、発足した2021年から横浜スカーフを文化資産として多くの方に知ってもらうことを目的に趣向を凝らした展示を企画・監修しています。スポーツ、アニメ、K-POPなど、世の中にさまざまな推しが溢れる今、今回は『私の、推しスカ』をテーマに、横浜スカーフを推す展示を企画しました。
経営学部の岩崎達也教授は「KGU横浜スカーフ研究プロジェクト」のプロジェクトメンバーとして、横浜スカーフをどのように社会に発信し多くの人に知ってもらうかという課題に取組んでいます。「学生たちには、横浜にある大学に通っているのだから、日本の発展の原点であるシルクと横浜スカーフについて知ってもらいたいと考えて今回の展示鑑賞を企画しました。何も売るものがなかった当時の日本が、どのように世界から外貨を得ながら成長していったのか、なぜスカーフというコンテンツが成長戦略に繋がったのかを考えてもらいたい」と、岩崎教授は展示鑑賞の目的を話しました。学生たちは、シルク博物館の学芸員の方から博物館の歴史やシルク産業の発展について学んだ後に展示を鑑賞。『私の、推しスカ』のテーマに倣い、鑑賞後には自分の推しをオンライン投票します。推しを選ぶために学生たちは一つひとつの作品を丁寧に観察していきます。当日は、KGU横浜スカーフ研究プロジェクトメンバーで横浜の輸出スカーフ意匠に関する調査研究を行っている本学の山崎稔惠名誉教授が学生の質問に応じ、山崎名誉教授の話を熱心に聞き入る学生たちの姿が見られました。「シルク製品が横浜発展の原点だと初めて知りました」と、自らが学ぶ横浜の地について新たな視点を持てたと学生たちは話します。
また、岩崎教授は「今回のテーマは『私の、推しスカ』。あなたの推しは?と問われると、“何となく見る”から“自分ごととしてみる”に視点が変わります」と言います。
作品を見た学生たちは「現代のスカーフのデザインはおしゃれの意味合いが主。展示してある作品は、世界各国の時代、流行、文化を知れるデザインが多くあり興味深いです」と感想を語ります。また、「自分の推しを探すというテーマは、作品をただの図柄としてみるのではなく、何を伝えたくてデザインしたのかなど、作品の背景までを考え想像が膨らみました」と、推しスカーフを選ぶことを実践することで、今回の展示のマーケティング手法の効果を体感した様子でした。
関東学院大学は今後も、横浜・神奈川を拠点に地域を学び課題の発見、解決をめざしていきます。
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