5月26日と30日に韓国のファッション文化をテーマにしたポスター発表会および講演会を横浜・金沢八景キャンパスで開催しました。国際文化学部の呉世蓮准教授が主体となり、学生の異文化理解を深めることを目的として実施され、活発な発表と質疑応答が交わされました。




5月26日に行われたポスター発表会では、国際文化学部の呉ゼミに所属する3年生5名が、韓国のファッション文化に関する研究成果を発表しました。同ゼミの4年生や同学部の教員・学生も参加し、学生たちの発表に熱心に耳を傾けました。発表テーマは多岐にわたり、「韓服の歴史と現代での使われ方」「韓国ドラマに見るファッショントレンド」「K-POPアイドルにおける衣装の影響力」など、韓国社会におけるファッションの役割や意味を掘り下げた内容でした。
中でも注目を集めたのは、「韓国における制服文化」についての発表。発表を担当した3年生の川邊百合香さんは、韓国では制服のデザイン性が高く、リボンや小物を使ったアレンジが自己表現の手段として認められている点に着目し、K-POPアイドルの影響から、制服が単なる学校の規定服を超えて、一種のファッションアイコンとして若者に支持されていることを紹介しました。
発表後には呉准教授から歴史的背景に関する補足説明が次のようにありました。韓国の制服の歴史は1880年代から始まり、日本統治時代には西洋化の制服に変化され、1980年代には制服の自律化により一時的に制服が廃止され、のちに民主化の影響もあり、多様なデザインの制服が再導入されたという流れが、ファッションと社会の関係を考えるうえで重要であるとの指摘がありました。
参加者からは「日本と韓国で制服の位置づけが全く違うことを初めて知った」「制服レンタルという観光文化にも驚いた」などの声が上がり、学生たちにとって大きな気づきの機会となりました。




続く5月30日には、韓国ファッションブランド「メイクアイ」の代表・平井 玲氏を講師に迎えた講演会を開催。本講演会は、ニューカマー韓国人のライフヒストリーとともに、Kファッションの魅力とビジネスの現場が語られる貴重な機会となりました。
韓国にルーツを持つ平井氏は、自身の来日背景から語り始め、日本での生活、文化服装学院での学び、そしてブランド立ち上げに至るまでの経緯を丁寧に紹介。特にSNS(インスタグラム)を活用したブランド展開や、主婦層を中心とした顧客との信頼関係の構築といった、現代的なブランド運営の実例は、学生たちの関心を強く引きつけました。
「ブランドというより、自分が着たいと思う服を作ってきた」と語る平井氏の姿勢や、「やればなんとかなる」という前向きな考え方は、ファッション業界を志す学生だけでなく、多様なキャリアの可能性を模索する参加者にとっても大きな励ましとなりました。
講演会ではプチファッションショーも実施され、「体型を気にせず着られる」「大人かわいい」デザインコンセプトが体現されたアイテムが披露されました。韓国と日本の顧客の志向の違い、文化背景による価値観の差異なども解説され、まさに「ファッションを通じた異文化交流」の実践となるイベントとなりました。
今回の2つの企画を通じて、学生たちは韓国のファッション文化を単なる情報として「知る」だけでなく、自ら発表し、話を聞き、体感することで「感じる」学びを得ました。呉准教授は「異文化を理解するには、ファッションのように日常と密接につながった文化からアプローチすることが大切」と話します。
グローバル化が進む今、異文化理解の重要性はますます高まっています。国際文化学部では、今後も実践的な学びの機会を通じて、学生の国際的視野を広げていく取り組みを続けていきます。

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