11月7日(金)、横浜・関内キャンパスにて法学会主催の講演会「辺野古訴訟と地方自治」を開催し、ゲストに琉球大学人文社会学部教授の徳田 博人氏(行政法学)をお招きしました。この講演会は、沖縄の在日米軍専用施設・普天間飛行場の辺野古移転問題を知り、中立・公正な司法によって担保されるべき地方自治の在り方を考えることを目的に開催し、約150名が来場しました。
辺野古訴訟は、名護市辺野古崎地区と周辺の海域を埋め立てて飛行場を建設する計画の過程で、埋め立ての承認と撤回、さらに変更不承認をめぐり沖縄県と国が争った一連の裁判です。当初沖縄県は、この海を埋め立てる計画を法的に”承認”しました。しかしその後、飛行場の離発着地点となる海底の地盤が軟弱であることなどの問題が発覚したため、承認を取り消したところ、取り消しは不当だとして国との間で訴訟に発展。県は沖縄防衛局の変更承認申請に対して、当該地点の強度に関する調査の実施を求めましたが、実現されないまま裁判審理が行われ、2023年9月の最高裁、同年12月の代執行訴訟において敗訴しています。
地盤の強度が不十分であった場合、護岸が崩壊するなど人的被害が発生するおそれがあるにもかかわらず、調査が実施されないまま判決が下されたことについて徳田氏は、「私たちは”日本国憲法”という法的メガネをかけて物事を見定めなければいけません。かけるべき法的メガネを誤れば、事実が見えづらくなってしまいます。そのメガネで下した判断は、市民の権利や人権を侵害することになりかねません。民主主義国家として、常に中立・公正な第三者による裁判が行われることを願うばかりです」と結びました。
講演後、来場者からは「普段の生活でも、正しい法的メガネをかけて世の中で起こっていることを見なければいけないと思った。誤った見方をしないために、心がけることはあるか」、「住民の生活を保護するために、効果的な法律はあるか」など質問が相次ぎ、会場全体で地方自治の在り方を考えるひと時となりました。
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