12月6日(土)から1月12日(月)の期間、横浜市中区にあるシルク博物館にて、KGU横浜スカーフ研究プロジェクトの企画・監修による横浜スカーフ展示「Yokohama Scarf Stories 世界の⾵に吹かれて」を開催しています。
横浜市では、1994年に日本輸出スカーフ等製造工業組合から寄贈されたスカーフ資料(現物)約11万点を現在、横浜市歴史博物館に保管しています。この資料は2013年度に横浜市経済局により学識経験者や関連企業で構成する「横浜スカーフ研究会」が発足、「地域資源(横浜スカーフ)の活用による産業活性化事業」の一環としてデータベース化されました。アーカイブ資料とは、これらのスカーフ資料(現物)とデータベースを合わせたもので、データベースには歴史的に価値のある約3万点のスカーフの図柄の写真が保存され、横浜市歴史博物館で閲覧が可能です。関東学院大学では、その事業を学術研究と産業利用の両面から後押しすべく、2021年に学部・部署を横断するKGU横浜スカーフ研究プロジェクトを結成、シルク博物館、横浜市歴史博物館とも連携協定を結び、横浜スカーフの存在を多くの方に知ってもらうことを目的に展示を企画・監修しています。
今回は「Yokohama Scarf Stories 世界の⾵に吹かれて」と題して、世界各地に輸出されたスカーフを仕向地別に20点余展示しました。
戦災からの復興を目指し、昭和22年に横浜のスカーフ業界が米国向けに貿易を再開すると、当初は土産物程度の扱いだったスカーフの人気は次第に高まり、輸出額は伸長、スカーフ製造に従事する企業も増加しました。しかし過当競争による品質の低下により、昭和27年頃には戦後最大の顧客であった米国から間接輸入規制を受けました。そこで、日本輸出スカーフ製造協同組合等が講じた策のひとつが、販路を北米以外のヨーロッパ、アフリカ、中近東、中南米、さらにオセアニアや東南アジア、ソ連、東欧などに広げ、世界的な市場を開拓したことでした。
もうひとつは,新素材の開発と捺染技術の革新・向上で、これにより多種多様な製品が手軽な価格で大量に製造・輸出されるようになりました。
こうしてアジアの一都市の産業であった横浜スカーフは世界中に広まり、そのデザインには時代性や地域性が映し出されています。今回は世界各地に輸出されたスカーフを仕向地別に20点余紹介し、スカーフを通じて戦後の歴史や時代背景を感じ取れる展示となっています。
《ビール柄》
意匠認定年:昭和34年 仕向地:アフリカ
《飛行機に子供》
意匠認定年:昭和35年 仕向地:ベルギー
また、12月11日には、経営学部のK-biz横浜スカーフプロジェクトの一環で、横浜スカーフのデザイン画の利活用に取り組んでいる小山嚴也ゼミの4年生が同展示を訪れました。
KGU横浜スカーフ研究プロジェクトでは、調査研究の過程で横浜の老舗スカーフメーカー舟山商店よりスカーフのデザイン画1240点を受贈しました。小山ゼミでは、デザイン画のデータベース化に協力するとともに、ゼミの研究テーマとして企業へのデザイン画利活用の提案に取り組んできました。こうした活動の成果をそれぞれのテーマ毎にまとめ、4年生全員の共同執筆という形で卒業論文に取りまとめます。
横浜スカーフの歴史について執筆を担当している岩澤永吉さんは、「歴史についてまとめるためには、事実を正確に把握することが大事だと考えているので、文献で調べるだけでなく、現物をきちんと確認するため展示を見にきました」と話します。平塚さくらさんは自身が携わった1240点ものデザイン画の撮影を振り返りながら「展示されているスカーフの名前は、意匠登録した人がデザインの見た目などから決めているので、今回展示されているものも『手に鶏』や『バラ散らし』などユニークな名前のものがありますね」と興味深そうに眺めていました。舟山商店の歴史について執筆している重松彩音さんは「今回の展示に舟山商店のスカーフも含まれていると聞いていたので、現物を見るのを楽しみにしていました」と話し、KGU横浜スカーフ研究プロジェクトメンバーである本学の山﨑稔惠名誉教授の解説を聞きながら、熱心にメモを取っていました。
かつて世界シェア第一位を占めたとされる、横浜スカーフ。「昭和100年」「戦後80年」と言われる節目の年を迎える今、スカーフを通して歴史を振り返る時間をぜひお楽しみください。
「Yokohama Scarf Stories 世界の⾵に吹かれて」は横浜市中区のシルク博物館で1月12日(月)まで開催しています。※休館日を除く(月曜日及び12月28日から1月4日まで休館。月曜日が祝日の場合には翌日)
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