日本語は誰のものなのか―講演会「私の中の国境線をめぐって。日本語という”永住権”について」を開催

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6月15日(月)、横浜・関内キャンパスにて法学会主催の講演会「私の中の国境線をめぐって。日本語という”永住権”について」を開催しました。近年、「〇〇ファースト」に象徴されるように、内と外を分ける境界が強調され、あらゆる分断や対立をもたらしています。本講演会は、台湾生まれ・日本育ちの作家 温 又柔氏をお招きし、私たちを取り巻く国境・国籍・言語の境界を捉え直すことを目的に開催し、約200名が来場しました。

講演の中で温氏は「人生の大半を日本で暮らしている私は、日本語を外国語だとは思っていません。しかし、私が『温』という苗字を名乗ると、『日本語がお上手ですね』と言われることがあります。もしも私が、『小林』と名乗れば、そうは言われないはずです」と相手から一方的に何人であるかをカテゴライズされることに悩んだ経験を語りました。それでも温氏は日本語を心から愛し、言語のなかに自身の居場所を求め、執筆の原動力としています。「皆さんがイメージする日本人というカテゴリーに当てはまらない人は普通ではないと自らのものさしで測らず、その普通が普遍的なのか考えてほしい」と結びました。

後半の温氏と法学部 小林 昭菜准教授によるトークセッションは、「日本語は誰のものなのか」という問いから始まりました。小林准教授は、日本による朝鮮統治下において現地の人々が軍国主義的な日本語の修得を強いられたことから、「言語を話すということは、その言語の背景にある文化や歴史を背負うことなのではないか」と語ります。これに対して温氏は「同じ台湾人であっても、統治下で育った私の祖父母の世代と中華民国で育った親世代とでは背負わされる文化や歴史が異なり、体現する言語も異なる」と語り、一国家につき一言語と単純に捉えることが、新たな分断を招く危険性をはらんでいることを示唆しました。

最後に会場では、来場者自身が他者から境界を引かれたように感じた出来事や、無意識のうちに他者との間に境界を引いてしまった経験が共有され、誰も傷つけない境界のあり方を見つめ直すひとときとなりました。

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