防災・減災・復興学研究所が、地震をめぐる古典文学と防災をつなぐトークセッションを開催

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9月12日(土)、紀伊國屋書店新宿本店にて、関東学院大学防災・減災・復興学研究所と図書館の主催による「要石、揺らぐ。-地震をめぐる古典文学と防災をつなぐトークセッション-」を開催しました。地震を起こす大ナマズを封じると伝わる要石は、時代を超えて、人々の心の平穏を守り続けています。このイベントでは、仮名草子『かなめいし』を手がかりに、日本近世文学が専門の井上 和人教授(図書館長、国際文化学部教授)、地盤防災工学が専門の規矩 大義教授(同研究所所員、理工学部教授)らが人々の災害へのまなざしを紐解き、約20名が参加しました。

第1部
要石を読む 地震を考える

浄土真宗の僧侶・浅井 了意が記した『かなめいし』には、寛文2年(1662年)に発生した寛文近江・若狭地震による京都の被災状況や人々の混乱の様子が記されています。同年に成立した本作は、了意自身も被災していたにもかかわらず、客観的かつ冷静に執筆されていると井上教授は語ります。作中には、余震がおさまると信じられていた”まじない”や、その”まじない”が効果を発揮することなく、家が倒壊したという被災者自身による”笑いを誘う短歌”などが登場します。作者の了意は、こうした人々の営みは愚かながらも共感できるとしています。そのため、仏教や易道の教えから紐解いた地震発生の仕組みや、被災しても世の中が滅ぶことのないよう守ってくれる要石について記すことで、人々の不安を和らげようと努めました。

では、『かなめいし』に記されている茨城県・鹿島神宮の要石は、なぜ霊石として神格化されたのでしょうか。規矩教授は、当時の周辺環境から地震発生時に液状化のような大規模な地盤の変化が起きたことが契機と考えられると語ります。その際、突如として石が地上に出現し、埋め戻しても、のちの地震で再び地上に石が現れる様子を見た人々がその石に神が宿ると考えた可能性を示唆しました。液状化は当時の人々に自然災害として認知されておらず、予測もできないため、”大地の裏切り”として畏れられていました。理解を超えた現象を目の前にし、人々は要石を信仰するに至ったのかもしれません。

第2部トークセッション
要石が語る災害へのまなざし

第2部でファシリテーターを務めた同研究所長の小山 嚴也教授は、「被災地で詠まれた”笑いを誘う歌”は、被災者自身の不安を和らげるためだったのではないか」と話し、これに対して規矩教授は「被災された方は、その後の人生をより人間らしく生きていくために、復興へ向かって立ち上がらなければなりません。その”笑い”は、被災者自身が立ち上がる力だったのでは」と応えました。加えて井上教授は「『かなめいし』の結びに”この地震は五穀豊穣の前ぶれである”と記されているのは、前向きに生きていこうと人々を励ます了意のメッセージだと思います」と語りました。

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