工学研究科博士前期課程1年の佐野 隼斗さん(友野研究室所属)を筆頭著者とする論文が、無機化学・有機金属化学に関する学術誌『Dalton Transactions』に掲載されました。
研究概要
近年、水素は次世代のクリーンエネルギーとして期待されており、なかでも水の電気分解によって得られる「グリーン水素」が注目されています。
本研究は、層状マンガン酸化物の層間にルテニウムビピリジン錯体を挿入した新たな電極材料を作製し、特定の色の光を照射することで、より効率的な水素生成を実現しました。この錯体には、光を受けると活性化するという特徴があります。この特徴を活かし、300nmの紫外線や450 nmの青い光を照射した場合と、光を照射しない場合を比較した結果、照射しない場合に比べて、300nmの紫外線を照射した場合の水素生成量は約6倍に上りました。当研究室が手がける層状マンガン酸化物を活用した水素生成は、従来より低い電圧で生成が可能な点が注目されてきました。本研究はこれに加えて、光照射によって水素生成の効率を大幅に向上させることに成功しました。
佐野 隼斗さんのコメント
研究成果として公表できる実験データが得られないことも多くありましたが、データ以外の形で必ず自分の力になると信じて取り組みました。その結果、以前より実験技術が向上したと感じています。今後は電解液を改良し、水素生成量の増加とそのメカニズムのさらなる解明を目指します。
水素社会の実現に向けた技術の礎を築く本研究に、今後もぜひご注目ください。
論文情報
題目:Light-assisted hydrogen evolution at a Pt cathode using [Ru(bpy)₃]-intercalated layered MnO₂ anodes([Ru(bpy)₃]@MnO₂陽極を用いたPt陰極における光アシスト水素発生)
著者:Hayato Sano, Ryota Sugawara, Rion Yamaguchi,Ryo Sasaki,Kazuaki Tomono
DOI:https://doi.org/10.1039/d6dt01780k
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