栄養学部4つの特徴
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豊富な実習先での実践学習
多岐にわたる管理栄養士の仕事を、豊富な実習先で実践的に理解することができます。
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資格取得のためのサポート
1年次から課外授業等を充実させており、管理栄養士、栄養士、栄養教諭、食品衛生監視員などの資格取得を目指します。
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基礎力養成カリキュラム
大学での学びの土台となるレポート作成方法や、ITスキル取得を目的とした授業を展開。
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「フードスペシャリスト」資格試験合格率100%
公益社団法人日本フードスペシャリスト協会から養成課程をもつ学科として認定されています。
学科紹介
学部長メッセージ
「食や栄養を通して優しくなれる」専門職業人へ。
田中 弥生
明治維新で導入された栄養学は、食事や食物の栄養素がどのように人間の体となり、影響しているかを研究する学問です。導入される以前は、低栄養の人々が多く、乳幼児の発育や成長に影響を及ぼしたことや、結核などの感染症患者も多くおり、平均寿命では現在の半分しか生きることが出来ませんでした。その後、小学校の給食などから栄養改善が進み、近年は過食や食事の欧米化などにより生活習慣病や肥満、食事を減らす若年女子などによる貧血やフレイルによる低栄養障害など、この2つが混在する「栄養不良の二重負荷」の新な課題を抱えています。
そこで、栄養学部管理栄養学科では、人間環境学部健康栄養学科の歴史と教育的資産を引き継ぎ、栄養学を通して食に関わるこのような課題を解決する専門的な知識や教養、豊かな人間性を具え社会に貢献できる専門職業人としての管理栄養士の養成を目指しています。
(公社)日本栄養士会の倫理綱領では、管理栄養士・栄養士の固有の業務は、「栄養の指導」であります。「栄養の指導」は、健康の維持・増進、疾病の予防・治療・重症化予防及び介護予防・虚弱支援を実践するための基本となるものであり、個人及び集団を対象とし、栄養の評価・診断・計画に基づいた栄養食事療法・情報提供・食環境整備・食育活動等により、生涯をとおしてその人らしく生を全うできるように支援することであるとしています。
それを全うするための、食品学、解剖生理学などの基本的な学問と、疾病や、ライフステージについてなどの応用的な知識を講義や実験・実習を通して体験的に修得することをはじめ、3年生では、病院での臨床栄養管理、小学校などの給食栄養管理、保健福祉センターなど公衆栄養学などの臨地実習を通して、実践的な知識を積み重ねながら専門職業人として一歩ずつ近づいて行きます。
4年生になると課題を見つけ卒業研究に取り組み、管理栄養士・栄養士になるための国家資格を得るための準備に入ります。
卒業後は専門職業人として修得した知識や技能を活かして管理栄養士・栄養士として社会で活躍・貢献していきます。
このように栄養学部管理栄養学科では、基本的な「栄養の指導」の技術を養うとともに、その後も生涯にわたり高い知識と技術の水準を維持でき、科学的根拠を基に、人々の為、「食や栄養を通して優しくなれる」そんな専門職業人として育ってもらいたいと願っています。
栄養学部3つのポリシー
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1.入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)
栄養学部は、本学部の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)および教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)との関連を踏まえた上で、全学部共通の入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)に基づき、入学者受け入れの方針を次のように定める。
<求める学生像>
栄養学部管理栄養学科は、食と栄養の専門家である管理栄養士になることを目指して、「食」「栄養」「健康」に対して強い関心を持ち、栄養学の専門分野を学ぶための基礎となる「生物」や「化学」を理解している人を求める。また、管理栄養士の資格を取得して、科学的根拠に基づいた食、栄養と健康に関する知識を活かし、さまざまなライフステージの人々に対し、健康の保持と増進、疾患の予防と改善、生活の質的向上に貢献できる人を求める。<入学者選抜において評価する点>
栄養学部管理栄養学科では、栄養学の専門分野を主体的に学ぶために必要な化学や生物、コミュニケーションを図るための基礎となる国語や英語に関する理解度を評価する。また、食、栄養と健康に高い関心を持ち、社会が抱える課題とニーズを適切に捉え、問題の解決に必要な基礎的知識と論理的思考力、自らの考えをわかりやすく発信するための表現力を有する人を求める。<入学前学習として求めること>
栄養学部管理栄養学科は、栄養学の基礎となる生物と化学に関する基礎的な知識を身に付けていることを求める。また、さまざまな背景を持った他専門職者や栄養指導等における対象者の心情を理解し、尊重しながら職務を円滑に遂行するために、実習科目や課外活動を通じて、コミュニケーション能力と協調性を有していることを求める。
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2.教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
栄養学部管理栄養学科は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を達成するため、次に掲げる方針に基づき、教育課程を編成・実施する。
なお、本方針は、諸科学の進展や社会の変化、本学に対する社会の要請等を踏まえて、常に内容に改善・改良を加え、教育課程並びに教育指導体制の充実に努める。また、各授業科目は、公開授業制度や授業改善アンケートなどのFD(ファカルティ・ディベロップメント)活動によって、不断の努力をもってさらなる充実に努める。教育課程・教育内容
- 教育課程は、管理栄養士を養成することを主たる目的とし、共通科目及び専門科目により体系的に編成する。
- 共通科目は、「室の木スタンダード」として、人間共生学部、栄養学部、教育学部が連携・協働して編成する。学部共通の教育課程の編成・実施方針(カリキュラムポリシー)を踏まえて編成するとともに、教養・総合分野、コンピュータ・リテラシー分野、外国語分野、保健体育分野、その他から構成する。また、初年次教育、コンピュータ・リテラシー、キャリアデザイン、キリスト教、英語の学習を必須とする。
- 専門科目は、次のように学部基幹科目、学科基幹科目、学科専門科目(栄養関連専門基礎分野、栄養関連専門分野、総合分野、栄養教諭分野)を体系的・段階的に編成する。
(学部基幹科目)
- 健康・栄養・食物に関する基盤を導入的科目として学ぶ。
(学科基幹科目)
- 専門科目の基幹として、基礎的な説明と食環境に及ぼす影響を総合的に学ぶ。
(学科専門科目)
- 栄養関連専門基礎分野では、専門分野を学ぶうえで必要な基礎的知識を総合的に学ぶため、基礎理科、社会・環境と健康、人体の構造と機能・疾病の成り立ち、食べ物と健康の4つの分野を配置し、理科・医学・社会福祉などの基礎を学ぶ。
- 栄養関連専門分野では、基礎及び応用栄養、栄養教育、臨床栄養、公衆栄養、給食経営管理、総合演習、臨地実習の7つの分野を配置し、実験・実習・演習を通じて、より実践的な能力を身に付ける。
- 総合分野では、ゼミナール、卒業研究等の科目を通じて、学生の興味関心のある分野について深く学ぶ。
- 栄養教諭分野では、栄養教諭を目指す学生が児童や生徒に対し、正しい食習慣を身に付けることができる指導力を養う。
教育方法
- 講義を通じて、当該科目に必要な知識・技能を教授するとともに、書く・話し合う・発表するといった学生の講義への参加を積極的に導入する。
- 習熟度別等による少人数教育を推進し、きめ細かな教育を通じて、学習効果を高める。
- PBL(Project/Problem- Based Learning)やサービスラーニング等の体験型授業を通じて、課題設定・実践的な解決能力を培う。
- フィールドワーク、ボランティア、海外インターンシップ等の授業による社会参加の機会を通じて、多文化を理解し、他者と共生するための思考力・判断力を養う。
- キリスト教への理解を軸とした幅広い教養を基に、アクティブ・ラーニングによる能動的な思考・判断の繰り返しと、他者との協働により、公平・公正な判断力を培う。
- グループワーク、ディベート、プレゼンテーション等の協働による能動的な学びの場を通じ、傾聴の姿勢と、自らの立場、考えをわかりやすく発信するための能力を培う。
- 社会連携教育(地域、企業、自治体等との連携による教育)を展開し、社会をフィールドとしたPBLやサービスラーニング等を通じて、社会に参加する機会を創出し、社会参加への主体性を培う。
- 幅広い教養及び専門分野における知識、技術を基に、アクティブ・ラーニングやゼミナール等により、多様な背景をもった他者と協働するための規律性と柔軟性を養う。
- キリスト教及び自校史への理解を基に、PBLやサービスラーニング等による実践的な課題解決のための学びを通じ、社会課題に対して誠実に向き合う姿勢を養う。
- ICTを積極的に活用し、LMS(Learning Management System)を通じて、学生へのフィードバックや学習支援を行う。
- 最前線の管理栄養士業務について、関連する各学外施設へ臨地実習を行い、実践的能力を培う。
学習成果の評価
学位授与方針の達成度を検証するために、学習成果の評価について次のように定める。なお、検証結果は教育課程編成や授業改善等に活用する。- 学期中における理解度を把握するための小テスト及び学期末試験等を用いて、幅広い教養力や専門分野及び地域に関する知識・理解力を評価する。
- レポートや論文・プレゼンテーションの成果に基づき、ルーブリックやポートフォリオ等の手法を用いて、建学の精神の実践・奉仕力、問題発見・思考力、倫理観、公平・公正な判断、協働力を評価する。
- 4年間の学びを通じて、学位授与方針に掲げた能力を総合的に評価する。
※ 教育課程の体系性や学位授与方針との対応関係はカリキュラムマップにより別途明示する。
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3.学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
栄養学部管理栄養学科は、教育研究上の目的のもと、次に掲げるすべての能力(4領域17項目の能力)を備え、所定の単位を修得した学生に学位を授与する。
<知識・理解>
- 豊かな人間性を具え社会に貢献できる管理栄養士等の専門職業人としての知識を身につけている。(社会貢献)
- 管理栄養士等として、自己理解と他者理解につながる幅広い教養(※)を身につけている。(幅広い教養)
(※)総合大学の利点を活かした学部共通の教養教育と学部独自の教養教育が含まれる。 - 栄養学部管理栄養学科の学問領域固有の知識と方法論を修得している。(専門分野に関する知識・理解)
- 本学が立地する「神奈川」の歴史・文化・風土等の特性を理解している。(地域に関する知識・理解)
<技能> - 管理栄養士等の専門職業人として必要な、実践的な技能を身に付け、その場に応じた適切な対応ができる。(実践力)
- 管理栄養士等の専門職業人として発見した問題を、解決するための手法を適切に選択できる。(問題発見・解決力)
- 個々の生活者のQOL(Quality of life)を維持・向上させるべく、生活環境に応じた望ましい食生活を具体的に提案指導できる。(実践力)
- 一次予防に必要な「栄養の指導」と、食生活改善のために必要な「食育の啓発・推進」などを通して、地域の食環境方策を立案し積極的に提案できる。(実践力)
- 国際社会において協働できるコミュニケーション力を有している。(国際協働力)
<思考・判断・表現> - 他者がもつ社会的・文化的背景を理解したうえで、自己を客体化して思考することができる。(多文化での共生)
- 管理栄養士等の専門職業人として必要な倫理観と公平・公正の精神を持って、事象を判断することができる。(倫理観、公平・公正な判断)
- 栄養教育(栄養指導等)での対象者の人間性を理解し、客観的な立場から対象者個々に対し適切な対応を思考することができる。(客観的な判断)
- 栄養教育(栄養指導等)での対象者の意見に耳を傾けるとともに、自らの意見を適切な表現手段を用いて発信することにより、より効果的な指導ができる。(傾聴と発信)
<関心・意欲・態度> - 管理栄養士等の専門職業人として求められる最新の知識・技能を、生涯にわたり進んで高めようとする意欲を有している。(生涯学び続ける意欲)
- 管理栄養士等の専門職業人として、職務に関する限定的な領域だけでなく、専門知識を生かしつつ、社会・地域・組織の一員としての役割を果たそうとする主体性を持っている。(社会参加への主体性)
- 豊富な知識と広い視野のもと、管理栄養士等の専門職業人集団の一員として、様々な背景をもった他専門職者を尊重しながら、協働して職務を遂行する協調性を有している。(チームワーク、他者との協働)
- 管理栄養士等の専門職業人として、問題に対して誠実に向き合おうとする実践的態度を身につけている。(建学の精神の実践、奉仕動機)
教員紹介
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管理栄養学科
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教員 研究テーマ 業績など 伊藤 雅方
Masanori Ito脂肪肝発症の分子機構に関する研究
佐藤 容子
Yoko Sato中枢神経系の機能的構築に関する研究
菅 洋子
Yoko Suga生活習慣病予防・改善のための行動変容プログラムに関する研究
介護予防のための栄養・運動複合プログラムに関する研究高橋 史江
Fumie Takahashi各ライフステージにおける栄養に関する研究
田﨑 達明
Tatsuaki Tasaki食品衛生分野における衛生管理等に関する研究
海洋生物等に由来する食中毒起因物質の研究田中 弥生
Yayoi Tanaka在宅療養者の栄養管理に関わる研究
呼吸不全患者における包括的な呼吸リハビリテーションとセルフマネジメントの研究津久井 学
Manabu Tsukui植物性粘性物質の性状解明に関する研究
食料資源の有効利用に関する研究寺本 あい
Ai Teramoto各種調理加工方法における野菜のペクチン質、組織、テクスチャーの変化
各種調理機器の特性の分析
給食献立におけるアレルギー対応食
食品物性の面からみた嚥下・咀嚼困難者のための食事中村 優
Yu Nakamura食品の加工特性解明に対する生化学的・分子生物学的アプローチ
西中川 まき
Maki Nishinakagawa慢性腎臓病患者の栄養管理に関する研究
高齢者の嗅覚障害と食欲・食生活に関する研究細山田 洋子
Yoko Hosoyamada給食施設の栄養・食事管理に関する研究
高齢者の栄養アセスメントと栄養ケアに関する研究山岸 博之
Hiroyuki Yamagishi鉄欠乏状態におけるエネルギー代謝の研究
山田 哲雄
Tetsuo Yamada運動・トレーニング時の生理機能と栄養状態に関する研究
生活習慣病の運動療法に関する研究