⼯学研究科2年 松井 誠実さんが筆頭著者を務める論⽂が『 Chemistry Letters 』に掲載!

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工学研究科博士前期課程2年の松井 誠実さんを筆頭著者とする論文が、日本化学会が発行する『Chemistry Letters』に掲載されました。

題目:Ultrafast azo dye degradation by alkylammonium-intercalated layered MnO₂ films(アルキルアンモニウムを挿入した層状MnO₂膜によるアゾ染料の超高速分解)
著者:Masami Matsui, Takumi Sato, Ryo Sasaki, Kazuaki Tomono
DOI:https://doi.org/10.1093/chemle/upaf205

研究概要

発展途上国では、産業排水の処理が十分に行われておらず、河川などの水環境の汚染が深刻な社会問題となっています。特に、衣類の染色に広く使用される“アゾ染料”は、人体に悪影響を及ぼすおそれがあります。従来は、光エネルギーを必要とする光触媒を用いて、難分解性のアゾ染料の分解が試みられていましたが、分解が始まるまで数時間を要するなど、処理の難しさが課題でした。本研究では、層状マンガン酸化物の層間に界面活性剤の一種であるアルキルアンモニウムを挿入し、創製した膜をアゾ染料に浸すのみで 3 分以内に分解反応が起こることを発⾒しました。さらに、分解が起きているのは”層間”であることを明らかにし、これが従来より飛躍的に分解スピードを向上させた要因であることを突き止めました。

松井 誠実さんコメント

繊維産業で使用される水の量は、産業の中でも特に多いと言われています。そのため、この研究で開発した吸着剤が実用化されれば、発展途上国の水環境の浄化に大きく貢献できる可能性があると思います。研究は、先輩から後輩へ受け渡されていく”知識の集大成”だと思うので、後輩たちにはこの面白い構造をもつ層状マンガン酸化物の研究を受け継ぎ、探究し続けてほしいです。

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