7月11日(土)、横浜・関内キャンパスにて人間共生学部講演会「カンボジアの”絹絣”再生プロジェクトを訪ねて~IKTTの挑戦~」を開催しました。
IKTT(Innovation of Khmer Traditional Textiles organization: クメール伝統織物)は、長きにわたったカンボジア内戦により失われつつある伝統絹織物の継承とその原材料ともいえる自然環境、ひいてはコミュニティの再生を目的とし、故・森本 喜久男氏が1996年に設立したNGOです。2007年より、人間共生学部共生デザイン学科の立山 徳子教授が授業を通じてIKTTと連携を深めてきたことから、本講演会の開催に至りました。この日は、IKTT Japan代表 西川 潤氏らをお迎えし、森本氏が現地で追求したものづくりと、それを未来へつなげる挑戦について講演いただき、約60名が参加しました。また、現地で生産された絹絣の展示・販売会が同時開催され、美しい作品の数々が来場者を魅了しました。
高い品質を誇るカンボジア伝統絹織物を後世へ継承するため、森本氏がつくったのは工房ではなく、「森」であると西川氏は語ります。「伝統の森」と名付けられたその地では、職人とその家族が、染料となる植物や養蚕に不可欠な桑などを自ら育てながら、ともに暮らしています。暮らしのなかに息づくものづくりは、原材料から製品となるまでの工程に透明性をもたらし、品質の担保を可能にしました。加えて、職人たちの経済的自立と、子どもを見守りながら安心して働くことができる環境をも実現しました。
また、森本氏は1990年代のカンボジアにおける深刻な学校不足・教員不足に対して強い問題意識をもっており、現地に最も必要なのは「教育」だと訴えていました。これに共鳴したNPO法人ふるさと南信州緑の基金は理事長 伊澤 宏爾氏を中心として2006年よりカンボジアでの学校建設を掲げ、2009年に「飯田小学校」を設立。以来、同団体は飯田市の高校生を対象とした現地スタディーツアーや募金活動によって、カンボジアとIKTTを支援しており、森本氏の想いは多くの人に受け継がれています。
森本氏の亡き後は、IKTTプロジェクト・マネージャー 岩本 みどり氏がその志を継ぎ、改革を進めています。「IKTT」をブランドとして確立させるべく、さらなる品質の向上を実現し、日本人の骨格や肌の色に合うテキスタイルデザインを展開。若手の職人育成や「伝統の森」での養蚕の拡充を推進し、伝統を守りながら新たな挑戦を続けています。
関東学院大学人間共生学部は、今後もIKTTと連携し、カンボジア伝統絹織物を次世代へつなげる活動に貢献します。
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