工学研究科修士1年 菅原 涼太さんを筆頭著者とする論文が『Journal of Solid State Chemistry』に掲載

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工学研究科博士前期課程1年の菅原 涼太さんを筆頭著者とする論文が、材料化学や無機化学に関する代表的な学術誌『Journal of Solid State Chemistry』に掲載されました。菅原さんは、マンガンを活用した新たな蓄電材料の開発に取り組んでおり、本誌に論文が掲載されるのは昨年に続き2報目です。

研究背景

現在、広く普及しているリチウムイオン電池は、原料であるレアメタルの価格高騰や供給不安に直面しています。こうした背景から、レアメタルに依存しない次世代蓄電材料の開発が求められています。脱レアメタルの実現に向けて注目されているのが、安価で供給リスクの低い「マンガン」です。本研究は、このマンガンを活用した蓄電材料の開発に取り組んでいます。

研究概要

菅原さんはこれまでの研究で、ナノスケールの層間をもつ層状マンガン酸化物に、コバルトエチレンジアミンという化合物を挿入し、蓄電・放電が可能なキャパシタ材料を開発しました。またこれは、他のコバルト化合物を挿入した材料と比べ、蓄電性能が高いことが明らかになっています。本研究は、電解液の種類がこのキャパシタ材料の充放電のメカニズムに与える影響を実証すべく、5種類の電解液中で実験を行いました。その結果、以下の3点が新たに判明しました。

  • 蓄電性能は5種類全ての電解質で200F/g前後の結果が得られ、サイクル終了まで安定した蓄電容量を確認した。
  • 【硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム水溶液を電解液として用いた場合】コバルト(+)の成分が抜け出し、ナトリウム(+)やカリウム(+)のイオンがそれを補うように置き換わることで充放電が進む。
  • 【硫酸リチウム、酢酸ナトリウム水溶液を電解液として用いた場合】挿入したコバルトの成分は抜け出すことなく、マイナスの電気を帯びたイオンの出入りで充放電が進む。

    マンガンを活用したキャパシタ材料の実用化に向けた礎を築く本研究に、ぜひ今後もご注目ください。

菅原 涼太さんのコメント

研究論文の考察を裏付けるには、膨大な実験データが必要になります。同じ研究室の中西さんが、実験データの収集に力を貸してくれたおかげで、短期間で学術誌への掲載が叶いました。
今後は、キャパシタ材料の研究を後輩たちに引き継ぎ、並行して進めてきたバイオ電池の研究に専念したいと考えています。

論文情報

題目:Effect of electrolyte selection on interlayer structural evolution and charge-storage behavior of [Co(en)₃]-modified MnO₂ films
著者:Ryota Sugawara,Sawa Nakanishi,Kazuaki Tomono
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jssc.2026.126268

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