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理工学部 研究ガイド2022

未来の環境循環型社会に順応する次世代エンジンの可能性を模索

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INTERVIEW 06 未来の環境循環型社会に順応する次世代エンジンの可能性を模索
220112-29 - コピー

武田 克彦 KATSUHIKO TAKEDA

理工学部 先進機械コース 准教授

日本大学大学院工学研究科博士課程修了(工学)。財団法人日本自動車研究所を経て現職。ディーゼルエンジンの代替燃料や新燃焼法に関する研究に取り組んでいる。日本マリンエンジニアリング学会奨励賞受賞。自動車技術会フェロー。

水素エンジン自動車の高効率化を目指す研究

環境保全のための循環型エネルギーに注目が集まっている。そんななか、先進機械コースの武田克彦准教授が研究に取り組む対象は、ディーゼルエンジン。時代に逆行しているような印象を受けるが、研究者の視点では事情は異なるようだ。
「意外と知られていませんが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、機構が異なります。クリーンディーゼルと呼ばれるエンジンもあるように、軽油を使うディーゼルエンジンは、高効率で排気ガスが少ない。このメリットを活かして、水素と軽油を混ぜ合わせて、燃焼させる水素DDF(Diesel Dual Fuel)エンジンの開発に取り組んでいます。現在は、水素燃料を自動車のエンジンに適応させるため、水素と軽油をより高効率に燃焼させる配合率をテストしています」
 そもそも自動車業界では、電気自動車が次世代の主流として注目を集めている。しかし、原動力となる電気を火力発電でつくっている場合、地球規模で見るとCO2の排出量は、従来のガソリン車より多くなるという指摘もある。そこで、武田准教授は、廃プラスチックや植物など、さまざまな原料由来の燃料の研究にも取り組んでいる。見据えるのは、水素とバイオ燃料で走る水素DDFエンジンという未来像だ。
「エンジンにはまだまだ可能性があります。エンジンを発電機として搭載する電気自動車という選択肢もあるでしょう。エンジン機構の高効率化に加え、水素やバイオ燃料など、燃料そのものの可能性を広げていくことも重要です」

廃プラスチック由来などさまざまな材料からつくられた燃料

病院から出る廃プラスチックを燃料に発電するシステムを開発

武田准教授は、廃プラスチックを分解して油に換え、ディーゼル発電機で電力を得る研究にも取り組んでいる。廃プラスチックによる環境汚染が問題になっている今、それを発電のために利用できれば、持続可能な社会の実現に貢献できる。「現在は、病院から出る廃プラスチックを燃料に発電をして、施設内の電力をまかなう循環システムの研究にも取り組んでいます。科学研究費助成事業の採択を受け、学内の他研究室と共同で研究を進めています。ここでも水素DDFエンジンや燃料に関する研究成果が役立っています」
エンジンには、機械工学の面白さが詰まっていると語る武田准教授。廃プラスチック燃料の研究が進めば、将来はペットボトルを燃料にして走る自動車なども実現されるのかもしれない。