研究報
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理工学部 研究ガイド2022

脳卒中者の身体活動を把握しリハビリのカスタマイズに役立てる

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INTERVIEW 05 脳卒中者の身体活動を把握しリハビリのカスタマイズに役立てる
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木村 鷹介 YOSUKE KIMURA

理工学部 健康科学・テクノロジーコース(2023年4月 設置認可申請中)講師

筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(リハビリテーション科学)。理学療法士としてJCHO東京新宿メディカルセンターに10年間勤務し、2021年より現職。医療・健康データの分析に関する科目などを担当。リハビリテーションや介護予防、障害予防に関する研究に取り組んでいる。

理学療法士として病院に10年間勤務していた

健康科学・テクノロジーコースの木村鷹介先生は、大学で理学療法を学び、卒業後は理学療法士として、医療現場で10年間実務に携わった経験を持つ。日々患者のリハビリテーションを担当するなかで、研究の端緒を見つけ、大学院に進学。そのまま研究者の道へ踏み出した。
「きっかけは、理学療法士として病院に勤務していたときの気づきでした。リハビリの時間は、通常1日1時間程度しかありません。しかし、実はリハビリ以外の時間こそ重要で、決められた時間以外にも積極的に身体を動かす患者さんがどんどん回復していく様子を現場で目にしました。そこで私は、ウェアラブルデバイスなどを使って、患者さんの日頃の状態を把握し、リハビリ指導をカスタマイズする方法を確立したいと考えました」
 木村先生が研究対象に選んだのは、脳卒中者だ。これは、脳出血や脳梗塞によって、運動麻痺や感覚障害、高次脳機能障害などを抱える人々を指す。実験では、脳卒中者に協力してもらい身体活動量計を使って、身体活動に関するデータを取得。骨格に沿って分布する骨格筋の機能特性の変化も観察した。
「超音波画像診断装置で患者さんの大腿部の筋量や筋厚を計り、身体運動量との関連を調べました。身体を動かさないことで、どれだけ機能が低下するのか。それを防ぐためにどれくらいの強度で、どれだけ運動をすればいいのか̶。こうした科学的なデータを集め、リハビリの指導に役立てるつもりです」

実験で用いる超音波画像診断装置

データサイエンスの知識を人々の健康支援に役立てる

この研究の面白さは、データサイエンスの最先端の知識を人々の健康支援に役立てられる点にあると木村先生。ウェアラブルデバイスなどを使って取得したヘルスデータの活用は、社会的なニーズも極めて高い。
「実験で用いる身体運動量計の取得データを脳卒中者用にカスタマイズする必要があるなど、課題はまだまだあります。それでも脳卒中者の身体活動量と骨格筋機能特性の変化を横断的に調査した報告はまだ少なく、この研究に使命感を感じています。脳卒中者の再発防止、回復後の生活の質向上に少しでも貢献できればと考えています」